「注文住宅の契約ってどうやって進んでいくの?」
「大金の契約だから不安・・・」
こんな悩みに答えていきます。
この記事を読めば、
- 夢のマイホームへのロードマップが描ける
- 悪徳業者に騙されにくくなる
- 契約時のチェック漏れをしにくくなる
ということが実現できます。
✔わたしの経歴
ここで少しわたしの経歴について紹介させてください。
わたしは新卒で大手不動産ディベロッパーに就職しており、これまでに以下のような経験を積んできました。
- 建築業界に12年以上関わってきました。
- この過程で50件近く、合計数十億円の工事契約を担当しました。
- しかもハウスメーカーや工務店としての経験ではなく、あなたと同じ顧客側での経験です。
- 一級建築士を取得済です。
こんなわたしが解説していきたいと思います。
契約までの流れを解説
住宅の契約って緊張しますよね。
これまでに購入した中で、最も高価な買い物だと思います。
ここではまず契約に至るまでの流れを解説します。
契約には2種類あるので、それぞれわけて解説していきます。
仮契約(申込)まで
会社探し
まずは実際に家づくりをお願いする会社を探します。
具体的にはハウスメーカーや工務店を探すことになります。
探すときは、
- 購入予定の土地の近くに事務所があるか
- 施工事例が自分のイメージに近いか
をもとに探すとよいでしょう。
ラフプランと概算見積もりの依頼
自分たちでまとめた要望を、選んだハウスメーカーや工務店に伝え、ラフプランと概算見積もりを依頼しましょう。
複数の会社から概算見積もりをもらうことで工事費を下げることが出来るので、活用しましょう。
なお、ここでは土地の購入まで完了していないことが多いと思います。
ただし候補となる土地の現地調査はハウスメーカーや工務店に行ってもらいましょう。
実際に行ってみないとわからないことや気づくことはたくさんあります。
後になって「やっぱり出来ませんでした」という状況が回避できると思います。
業者の決定
各社の見積もりを比較検討して、依頼する業者を決めましょう。
要望の抜け漏れがないか、必要な費用は見積もりに含まれているかを中心に確認しましょう。
必要であればラフプランの修正や概算見積もりの見直しを依頼しましょう。
仮契約(申込)
仮契約とはいわゆる申し込みのことです。ここで仮契約を行うことで、「あなたの会社にお願いします」という意思表示をするわけです。
結婚式などでも、式場を決めた段階で申し込みをしますよね。
ここでは数万円~数十万円を申込金として支払うことになるのが一般的です。
もしキャンセルした場合、このお金は戻ってこないことが多いので、条項の確認や金額の確認はしっかりと行いましょう。
仮契約~本契約まで
土地購入・調査
工事をお願いする業者が決まる前後で土地の購入を行いましょう。
このあと詳細な設計に入っていくので、事前に土地の調査を行っておくためです。
調査の内容はハウスメーカーや工務店にもヒアリングをしましょう。
- 測量調査
- 地盤調査
- 地質調査
などが必要となる可能性があります。
詳細設計
いよいよ、本格的な設計のスタートです。こだわりの内装や、設備を設計に反映してもらいましょう。
概算見積もりの段階で想定していたものから、金額が前後する場合は、よく相談して決めましょう。
また当たり前ですが、言った言わない、と後でもめることを避けるために、打ち合わせごとに議事録を作ってもらうとよいです。
間取りや仕様の決定 本見積り
設計図が完成したら、要望の抜け漏れがないかを確認し、契約用の本見積をとりましょう。
この金額を払っていくことになるので緊張する時期です。
本契約
金額が予算内に収まれば、いよいよ本契約です。
契約書は難しいかもしれませんが、条項にはすべてに目を通しましょう。
意外な発見があったりします。
住宅ローン申込
本契約のあとに住宅ローンの申し込みをしましょう。
なぜなら、土地と建物の金額が確定しないと住宅ローンの支払額が確定しないからです。
契約前の注意点
続いて、契約前の注意点について解説します。
大金が動く契約になるので、しっかりとチェックしておきましょう。
ここでも、仮契約前と本契約前にわけて解説します。
仮契約前
契約書をもらっておく
ハウスメーカーや工務店に概算見積もりを依頼するときには、事前に契約書ももらっておきましょう。
いざ契約するときに「この契約書だと契約できない!」ということになると手戻りが起きてしまいます。
仮契約の金額を聞いておく
仮契約の金額を聞いておきましょう。
異様に高い金額だった場合は、概算見積もりを安く出してきて、仮契約だけしようとする悪徳業者の可能性があります。
要望書の準備
各社に同じ条件で概算見積もりをしてもらうためには、要望を同じように伝える必要があります。
書面で用意をしておくと、使いまわせるので便利です。記録にも残るので安心ですよね。
金額だけで業者を決めない
概算見積もりとラフプランが出てきた段階で、どのように業者を決めればよいか迷うと思います。
そんなときは「あなたが家を買って実現したいイメージに最も近い間取りを提案してくれた会社」に決めることをおすすめしています。
詳しくは以下の記事で解説しています。
ハウスメーカー・工務店の選び方|この道12年の私が解説します - せのしゅんブログ
見積もりにどこまで入っているのか確認する
これは本契約でも共通ですが、見積もりの内容にどこまでの内容が含まれているかを確認しておきましょう。
住宅購入には大きく、
- 本体工事費
- 付帯工事費
- 諸費用
の3つが必要です。
これらの条件を各社でそろえておきましょう。
以下の記事で詳しく解説しています。
住宅見積もりの見方|超簡単 騙されない方法3選(プロの私もやっています) - せのしゅんブログ
本契約前
間取りや仕様は確定させる
本契約の段階で、間取りや仕様は確定することになります。
この先にも変更することはできますが、それは契約の変更や増額につながることが多いです。
このタイミングまでに、設計図を出来るだけ細かく描き込んでもらいましょう。
それが後々、追加工事を抑えるためのポイントになります。
調査結果を反映
調査結果を設計に反映してもらいましょう。
地盤改良などが必要になると、100万円単位で工事費があがるので、漏れがないようにしましょう。
予算内におさめる
これが一番重要です。
当初決めた予算に確実に収めましょう。あなたの今後の暮らしがかかっています。
妥協せずに金額交渉をしましょう。
契約書でチェックしておくべき内容
契約書を全て完璧にチェックするのは難しいかもしれません。
しかし以下のポイントは確実にチェックをしておきましょう。
契約金額
当たり前ですが、金額についてチェックしましょう。
「ゼロが1つ多かった!」なんていうミスが起こり得る可能性もあるので要確認です。
着工日、竣工日
いつ工事を始めるのか、いつ工事が終わるのかを明確にしておきましょう。
期間が延びると業者の経費が増えるので、この期間通りに工事を終えてもらえるように、あなたも協力して進めていくことが大事です。
お金の支払い時期
支払時期についても確認しておきましょう。
工事着工前に数%~数十%を支払うことが多いようなので、住宅ローンとの兼ね合いを考慮しておき、事前に相談しておくことがよいでしょう。
追加工事の対応方法
追加工事の問題はほとんどの物件で出てくることになると思います。
この場合の対応方法についても条文に書いてあることが重要です。
「勝手に追加工事をされて、その費用を請求された!」なんてことがないようにしましょう。
瑕疵担保責任
瑕疵担保について、民法上では木造の場合5年が原則です。会社によっては特約などがついている場合があるので確認しておきましょう。
アフターサービス
少し気が早いと思うかもしれませんが、アフターサービスについても本契約時点で定めておくことが一般的です。
これは各社によって違うかもしれませんので、条文の有無は少なくとも確認をしておくとよいでしょう。
【体験談】契約書で九死に一生を得た話
契約書に救われた私の体験談を紹介します。
契約金額の10%近くも追加工事を請求されたことがありました。
この工事は見積もりに入っていません、ということでした。
「こんな追加工事を発注できるわけない・・・どうしよう・・・」という状況だったのですが、契約書に救われました。
契約書をよく読むと、見積もりは契約書類ではなく、設計図が契約書の添付書類になっているのです。これは一般的な契約でも同様なようです。
そこで設計図を確認してみると、当該の工事は図面に記載がありました。
つまり「見積もりに入っていません!」というのは、見積もりから漏れていたということなのです。
こんなこともあるので、契約書をよく読むこと、図面をしっかり確認すること、見積もりをよく確認することというのは大事ですね。
まとめ
注文住宅の契約までの流れと注意点を解説してきました。
では本記事の内容をまとめます。
契約までの流れを解説
- 会社探し
- ラフプランと概算見積もりの依頼
- 業者の決定
- 仮契約(申込)
- 土地購入・調査
- 詳細設計
- 間取りや仕様の決定 本見積り
- 本契約
- 住宅ローン申込
契約前の注意点を解説
- 契約書をもらっておく
- 仮契約の金額を聞いておく
- 要望書の準備
- 金額だけで業者を決めない
- 見積もりにどこまで入っているか確認
- 間取りや仕様は確定
- 調査結果を反映
- 予算におさめる
契約書でチェックしておくべき内容
- 契約金額
- 着工日、竣工日
- お金の支払時期
- 追加工事の対方法
- 瑕疵担保責任
- アフターサービス
【体験談】契約書で九死に一生を得た話
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