「注文住宅のこだわりについて知りたい」
「失敗しない、お気に入りの家を建てたい」
そんなふうに考えていませんか?
夢のマイホーム。素晴らしいですね。
ただし!
どこにでもこだわれる注文住宅だからこそ、「どこにこだわるべきか」を理解しておくべきです。
効果のうすいところにばかりこだわって、
結局、「その辺の建売住宅とほとんど同じ、、、」みたいなことになりかねませんよ。
なので「自分には完全に家のイメージがあるんだ!」という人は読まなくてもOKです。ご自由にどうぞ。
この記事を読めば、
✓注文住宅では壁の数にこだわるべき理由がわかる
✓壁の数を減らすことのデメリットがわかる
✓壁の数を減らすときの注意点がわかる
✓結果、理想のマイホームが建てられる
ということが実現できるでしょう。
✓わたしの経歴
ここでわたしの経歴についても、少し紹介させてください。
- 新卒で不動産ディベロッパーに勤務
- 建築業界歴12年以上
- 50件以上、数十億円の工事を発注した実績あり
- 一級建築士
こんな感じで、建物をつくることについてはプロです。
しかもあなたと同じ、発注側としての立場での経験です。
こんなわたしが解説していきます。
注文住宅でこだわるべきは壁の数である|〇LDKは捨てなさい
注文住宅でこだわるべきなのは、ズバリ「壁の数」です。
具体的に言うと、
最低限必要なところ以外の壁の数を、いかに減らせるか、ということにこだわるべきです。
理由は5つです。
✓部屋が広くみえる
✓コミュニケーションが活発になる
✓費用が安くなる
✓つかいかたは家具の配置しだい
✓バリアフリーにもなる
1つずつ解説していきます。
部屋が広くみえる
「広く開放的な家に住みたい」
これは多くの人が願っていることですよね。
だけど、家の広さには限界があります。
じゃあ出来ることは壁を減らすことだけです。
わたしの実家は昔ながらの家で、かなり壁の数が多く、家が狭いなと感じています。
例えば以下の通り。
・リビングと廊下
・リビングと和室
・リビングとキッチン
・書斎と寝室
特にリビングとつながる場所に壁が多いです。
これを出来るだけなくすことで、部屋が一気に広く見えるようになります。
コミュニケーションが活発になる
壁を減らすことで家族のコミュニケーションが活発になります。
部屋を仕切る壁がないと、家族が1つの空間にいることになるので、
「なにかお茶飲む?」
「お兄ちゃんなんの本読んでるの?」
「今日のご飯なに?」
「なんかご飯のいい匂いがする」
こんな感じの会話が生まれやすくなります。
わたしは以前、シェアハウスに住んでいたことがあるのですが、シェアハウスだとコミュニケーションを活発にするために、壁の数が実際に少なく設計されていました。
大学院時代、シェアハウスの研究をしていたので、これは学術的にも間違いないですね。
これが壁を減らすことのメリットの1つです。
費用が安くなる
壁の数を減らすと工事のお金が安くなります。
あなたの思っている以上に壁をつけるという工事は大変なんです。
- 現地で壁の位置をはかる
- 材料を持ち込む
- 壁の下地となる材料をつける
- 壁となる板を張る(場所によっては防音のために2枚)
- 板の上から仕上げとなるクロスやタイルなどを張る
- 壁と天井、壁と床の接触するところをきれいに整える
こんなに手間がかかります。
実際に、わたしも仕事で壁の数を減らすコストダウンをしたことがありますが、数百万円くらい価格をさげれました。
壁をなくすことはコストダウンにもつながる方法なんです。
つかいかたは家具の配置しだい
壁がないと、部屋のつかいかたは家具の置きかたで自由に変えられるようになります。
✓こどもが生まれたばかりのとき
✓こどもが小さいとき
✓友人がホームパーティーに来るとき
✓老後に夫婦2人で暮らすとき
こんな感じで、暮らしのフェーズごとに合わせて、家具の置きかたを変えることで、フレキシブルに暮らし方を変えられるというメリットがあります。
バリアフリーにもなる
壁の数が少ないことはバリアフリーにも有利です。
車いすの生活や介護をする上で、
✓廊下がせまい
✓部屋がせまい
✓扉が多い
というのは、めちゃくちゃ面倒です。
わたしのおじいちゃんの家は、完全に昔ながらの家で壁の数がめちゃ多かったので、寝たきりになってからの苦労は大変でした。
ふすまとか全部外しちゃったし。
長く住むための家を買うのであれば、バリアフリーも考えないと、あとで苦労しますよ。
注文住宅の壁の数を減らすことのデメリット
「壁の数を減らすと光熱費がかかるじゃないか」
という人もいるかもしれません。
だけどこれも問題なしです。
めちゃくちゃ大きな家でなければ、ばらばらと部屋ごとにエアコンつけるよりも、大きいエアコンで一気に空調したほうが効率がいいからです。
しかも最近の住宅は基本的に断熱性能高いから熱も逃げにくいに入ってきにくい。
しかも光熱費って仮に上がったとしても月々2千円とか3千円ですよね?
1年で3万円くらいですかね。つまり30年で90万円。
それくらいなら壁の工事をなくすことで余裕で回収できますよ。
注文住宅で壁の数を減らすときの注意点
注意点は耐震性についてです。
木造の場合、耐震性は基本的に壁の数で決まっています。
壁の数を減らしたくても構造的にどうしても必要な場所はあるので注意しましょう。
と言っても、家を建てる前には行政などに「この設計内容でいいですか?」という図面の審査があるので、これをパスしないと家は建てられない法律になっています。
なので阪神大震災レベルが来ても、倒壊しないようにはなっているので問題なしです。
このあたりはこちらの記事でも解説しています。
耐震等級ってなに?どれにすればいいの?|超簡単に専門用語なしで解説します - せのしゅんブログ
まとめ
壁の数を減らすことにこだわるべき理由を解説してきました。
よく家を買うときは、「〇LDK以上」みたいな条件を出す人いますが、これはナンセンスですね。
めちゃくちゃ狭い家でも壁をつけて、部屋さえ作れば、理想の〇LDKになっちゃいますから。
騙されないようにしましょう。
では、この記事の内容をまとめます。
壁の数にこだわるべき理由
✓部屋が広くみえる
✓コミュニケーションが活発になる
✓費用が安くなる
✓つかいかたは家具の配置しだい
✓バリアフリーにもなる
壁の数を減らすデメリット
✓光熱費があがる
→ばらばらエアコンをつけるよりも大きいエアコンのほうが効率的
壁の数を減らすときの注意点
✓耐震性
→普通に設計すれば、阪神大震災レベルでは倒壊しない
さて、ではあなたの理想の間取りと見比べてみましょう。
どうですか?
もしかして普通の建売住宅と同じような感じになってませんか?
なる早で直しておかないと、あとから追加の設計費とか請求されるかもです。
間取りは「注文住宅の命」です。
ここを失敗すると取り返しがつきませんのでご注意を。
✓間取りに関する専門家への相談を詳しく知りたい人向け