既存の建物に庇を増築するときって、面積が0㎡でも確認申請がいるのかな?
こんな悩みに答えます。
こんにちは。せのしゅん(@senosyun_archi)です。
ディベロッパーで働く一級建築士です。
30件以上の改修の経験があり、役所や審査機関の見解については、たくさんの事例を見てきました。
こんなぼくが解説します。
では3分で読めるのでサクッと見ていきましょう。
庇を増築するときに、面積0㎡でも確認申請はいるのか|結論、必要です
この記事では、「防火・準防火地域」の前提で話を進めます。
「防火・準防火地域以外の地域」であれば、10㎡以下の増築は確認申請が不要です。(建築基準法第6条第2項)
結論として、防火・準防火地域の場合、面積0㎡の庇を増築するときでも確認申請が必要です。
面積0㎡というのは、例えば下の図のようなときやな
増築=床面積・建築面積の増加ではない
庇の増築に確認申請が必要なのは、床面積・建築面積が0㎡でも確認申請が必要という通達があるから。
いわゆる「0㎡増築」というやつやな
昭和27年建設省住宅局建築指導課長通達
照会:建築物に付属する板塀を新設する場合の確認手数料は20㎡以内のものとして200円※を徴収してよいか。
回答:建築基準法の規定によって確認を要する場合(準防火地域・防火地域内)の確認手数料の確認申請手数料の額は、門、へいの額のみ確認申請したときには「延べ面積20㎡以内のもの」として取り扱い(以下、省略)
※現在、手数料は改正されています。
門やへいの床面積・建築面積は0㎡なので、たとえ0㎡であっても確認申請が必要ということやな
そもそも建築基準法に、「増築」の定義はありません。
新たに加わる部分が、建築基準法に則っているかを確認する必要があるときに、確認申請が必要となるわけですね。
まとめると以下の通り。
- 門やへいは、床面積・建築面積が0㎡
- 昭和27年建設省住宅局建築指導課長通達により、門やへいの確認申請は必要
- 床面積・建築面積が増えなくても、新たに加わる部分があれば確認申請が必要
- つまり、庇にも確認申請が必要
「増築=床面積・建築面積の増加」ではないので、要チェックやで~
参考:減築+増築でも確認申請は必要
「増築=床面積・建築面積の増加」ではないので、「減築+増築」で床面積が増えない場合でも、もちろん確認申請が必要です。
イメージは下記のとおり。
くわしくは下記の記事で解説しているので、気になる人は見てみてください。
まとめ:増改築の知識は将来性アリです
この記事の内容をまとめます。
庇を増築するときに、面積0㎡でも確認申請はいるのか
- 結論、必要です
- 増築=床面積・建築面積の増加ではない
- 減築+増築でも確認申請が必要
増改築には、建築基準法の細かい知識や解釈が必要となり、経験しないとなかなかむずかしいです。
でも、これからどんどん増改築の需要は増えていくので、法解釈について詳しくなっておくと、建築業界で生き残りやすくなるのではないかと。
とは言え、まだ増改築の経験が浅くてよくわかりません、、、
という人もいるかもです。
昔のぼくもそうでした。
そこで増改築の法律関係について調べまくった結果、ついに最高の本を見つけましたのでシェアします。
この本があれば、増改築の基本は網羅できます。
今回の庇の確認申請についても、わかりやすくまとめられています。
日経アーキテクチュアとビューローベリタスが著者なので安心や~
増改築について勉強したい人、実務で増改築をやっている人は、必読の本ですね。
ぜひ参考にしてもらえれば。
今回の記事はここまでです。では。