工事中の建物を一部使い始めたいです。仮使用認定という制度があるみたいですがよくわかりません、、、わかりやすく教えてください。
こんな疑問にこたえます。
こんにちは。せのしゅん(@senosyun_archi)です。
不動産ディベロッパーで働く一級建築士です。
30件以上の物件を担当した経験があり、役所や審査機関の見解については、たくさんの事例を見てきました。
こんなぼくが解説します。
では、3分で読めるのでサクッと見ていきましょう。
仮使用認定とは何かをわかりやすく解説|部分的な完成です
仮使用認定とは、部分的に完成した箇所を使い始めるための申請です。
仮使用認定をつかうときのイメージ
仮使用認定をつかうのは、下記のようなイメージのとき。
テナント利用の部分を先行して開業したいときなどは便利ですね
仮使用認定をつかえば、工程がキビシイときもやりくりすることが出来そうです。
仮使用認定に関する条文
仮使用認定は、下記の条文に基づいて申請することになります。
(検査済証の交付を受けるまでの建築物の使用制限)
建築基準法 第七条の六
第六条第一項第一号から第三号までの建築物を新築する場合又はこれらの建築物(中略)の増築、改築、移転、大規模の修繕若しくは大規模の模様替の工事で、廊下、階段、出入口その他の避難施設(中略)を含むものをする場合においては、当該建築物の建築主は、第七条第五項の検査済証の交付を受けた後でなければ、当該新築に係る建築物又は当該避難施設等に関する工事に係る建築物若しくは建築物の部分を使用し、又は使用させてはならない。
ただし、次の各号のいずれかに該当する場合には、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用し、又は使用させることができる。
一 特定行政庁が、安全上、防火上及び避難上支障がないと認めたとき。
(仮使用の認定の申請等)
建築基準法施行規則 第四条の十六
法第七条の六第一項第一号(中略)の規定により特定行政庁の仮使用の認定を受けようとする者は、別記第三十三号様式による仮使用認定申請書の正本及び副本に、(中略)その他特定行政庁が必要と認める図書及び書類を添えて、建築主事を経由して特定行政庁に提出するものとする。(以下、略)
ベースとなる条文関係を押さえておくことは大事ですよね
一度は読んでおきましょう
仮使用認定を受けるための条件
仮使用認定を受けるためにはいくつか条件があります。
- 工事部分と仮使用部分が防火上有効に区画されていること
- 仮使用部分が建築基準関係規定に適合していること
- 構造躯体の工事が完了していること
- 仮使用部分を使用する者の経路と工事作業者等の経路が重複していないこと
- 敷地内通路の上部に工事用足場を設置していないこと 等
勘違いしやすいのは、「仮使用する部分だけではなく、工事部分と仮使用部分が防火上有効に区画されていること」という点。
上記のような工事をしていると、ついつい仮使用部分のみに目が行きがちですが、工事している部分がどのように区画されているかもポイントになるので要注意です。
仮使用認定を手続きできる審査機関
仮使用認定は、特定行政庁と民間の審査機関で申請ができます。
2015年6月から民間審査機関でも申請が可能になっていますよ
確認申請を提出している審査機関に仮使用認定の申請をすればいいので、スピーディーなやりとりが可能ですね。
まとめ:仮使用認定を使いこなせば、工程がやりくり可能
この記事では、仮使用認定についてカンタンに解説をしてきました。
仮使用認定の制度を知っていれば、工程のやりくりがうまくできますね
手続きには手間と時間がかかりますが、明らかに間に合わない工程の場合は、検討してみる価値はあるかと。
では、ここで記事を終えます。
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