年金は「繰り上げ受給」や「繰り下げ受給」ができると聞きました。両親がそろそろ年金をもらう年齢なのですが、どれがオトクなのでしょうか?
こんな疑問に答えます。
こんにちは。せのしゅん(@senosyun_archi)です。
投資歴は約10年で、お金についてはかなり詳しい方かと。
両親がそろそろ年金受給なので、オトクな方法を調べてみました。
こんなぼくが解説していきます。
では、サクッと見ていきましょう。
年金は繰り下げ受給がオトクな理由|両親にアドバイスしよう
そもそも、年金は基本的に65歳が受給開始の年齢です。
でも「繰り上げ受給」や「繰り下げ受給」をして、受給の時期を変えることも可能。
ただし、「繰り上げ受給」(受給の前倒し)をすると受給額が減り、一方で「繰り下げ受給」(受給の後ろ倒し)をすると受給額が増えます
そこで、結局いつから受給するのがオトクなのかを検証しました。
結論としては、「70歳まで繰り下げ受給をする」のがオトクかと。
(70歳まで生活できるお金がある前提)
繰り下げ受給がオトクな理由1|平均余命よりも早く損益分岐点が来るから
繰り下げ受給がオトクな理由の1つは、「平均余命よりも早く損益分岐点がくるから」です。
シミュレーションの結果が下の図です。
81歳くらいが損益分岐点ですね
で、日本人の平均年齢はというと、「男性81歳」、「女性87歳」です。
女性は繰り下げ受給がオトクみたいだけど、男性はどれを選んでも変わらないのでは、、、?
と思う人もいるかもです。
でも、ここにはトリックがあり、「0歳の人が平均であと何年生きるか」が「平均年齢」の定義です。
で、60歳の平均余命はというと、「男性24年」、「女性29年」。
つまり、「男性でも84歳まで生きる」ということが想定されるわけです。
参考記事:平均寿命と平均余命
ここで、改めて冒頭のグラフを見てみましょう。
損益分岐点は「平均寿命」の近くなので、一見どれを選んでも問題なさそう。
でも「平均余命」で考えてみると、明らかに「70歳まで繰り下げ受給」をするのがオトク。
長生きリスクも考えると、70歳までの繰り下げ受給は賢い選択ですね
繰り下げ受給がオトクな理由2|確実にリターンのある資産運用だから
繰り下げ受給がオトクな理由の2つ目は、「確実にリターンのある資産運用だから」ということ。
理由1の説明を聞いて、鋭い人はこう思ったかもです。
平均余命よりも早く損益分岐点が来たとしても、早く支給をしてもらったほうが資産運用にお金が回せるから良いのでは?
✓参考記事:現在価値と将来価値
でも、この点についてもやはり「繰り下げ受給」がオトクなことに変わりありません。
ここでおさらいですが、65歳を起点として増額率と減額率をそれぞれ年利に直すと下記のとおり。
- 増額率:年利8.4%
- 減額率:年利-4.8%
逆にいうと、60歳時点から年金分を資産運用したと考えれば、60~65歳までは年利4.8%、65歳~70歳までは年利8.4%で運用できるということ。
ノーリスクでこの利回りは、あり得ないくらいの好条件ですよ
早く受給を開始して資産運用するとしても、この利回りを超えないとメリットがないわけですから、ここは黙って「繰り下げ受給」をするほうがオトクかと。
まとめ:年金の繰り下げ受給は日本社会のオトクな仕組み
この記事の内容をまとめます。
年金は繰り下げ受給がオトクな理由|両親にアドバイスしよう
- 理由1|平均余命よりも早く損益分岐点が来るから
⇒「平均寿命」ではなく「平均余命」を参考にしよう
- 理由2|確実にリターンのある資産運用だから
⇒60~65歳までは年利4.8%、65歳~70歳までは年利8.4%が確約
この記事では繰り下げ受給について解説してきましたが、社会の仕組みについて知るか知らないかで、こんなにも大きな違いがあります。
この内容がおもしろいと感じて頂けるようであれば、ぜひご両親に繰り下げ受給をオススメしてみてください。
ぼくも繰り下げ受給を両親にオススメしていますよ
オトクな制度を活用して、ご両親の豊かな老後を応援しています。
では。