こんにちは。せのしゅん(@senosyun_archi)です。
最近、インフレのニュースをよく聞きますね。
でも政府/日銀は、
なかなかインフレが収まる対策を打てていません。
しかしこれには理由があり、
インフレが収まる対策を「打つことが出来ない」
というのが実態のようです。
この記事では、
その理由を解説していきます。
日銀のインフレ対策とは
そもそもインフレ対策として有効な手法が何かと言うと、
それは「国債の金利を上げること」です。
以下、日銀のHPからの抜粋です。
金利が上昇すると、金融機関は、以前より高い金利で資金調達しなければならず、企業や個人への貸出においても、金利を引き上げるようになります。
そうすると、企業や個人は、資金を借りにくくなり、経済活動が抑制されて、景気の過熱が抑えられることになります。また、これに伴って、物価に押し下げ圧力が働くことになります。
このように、景気の過熱を抑えるために行われる金融政策は、金融引締め政策と呼ばれます。
https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/seisaku/b28.htm/
ここに記載のある通り、
インフレを抑えるためには、「金利を上げれば良い」
というワケ。
でも、日銀にはそれが出来ない理由があります。
インフレが進んでも日銀が対策を実行できない理由
ズバリ、利上げをすると日銀が赤字になってしまうからです。
いきなり、日銀が赤字?と言われてもよくわからないと思うので、
具体例を交えて解説していきます。
日銀の保有国債が含み損に
最近話題になっているニュースを交えつつ説明します。
上記の記事では、
日銀が保有している国債が含み損(▲8749億円)になっている、
ということが報道されています。
(金利が上がると国債価格は下落)
実際に日銀の決算を見てみると、
ここに数字が書いてありました。
https://www.boj.or.jp/about/account/zai2211a.htm/
日銀のバランスシート
次にこれが日銀にとってどれくらいのインパクトなのか、
を見ていきます。
そもそも日銀のバランスシートとしては、
こんな感じ。
ちょっと細かすぎるので、
超簡略化します。
なお国債については満期保有前提のため、
バランスシート上は時価では評価しないことになっており、
上記の▲8749億円含み損は反映されていません。
※ふつうは時価会計ですが、日銀は含み損を反映させないためにこのような措置をしていると想定されます。
バランスシートから読み取れるのは下記の点です。
- 超絶ハイレバレッジでリスク過多(負債/純資産=136倍)※
- 資産の約80%が国債
- 国債の価格が下落すると、純資産の少なさからすぐに赤字転落する
- ▲8749億円含み損を加味すると、現時点で純資産4.2兆円(=純資産▲16%の影響)
※リーマンショック時の米金融機関ですら、30~40倍のレバレッジでした。
うん。全体的にかなりヤバイですね・・・
さらに下記のニュースですと、
金利1%上昇で28.6兆円の含み損になるとのこと。
すると何が起きるかと言うと、
純資産が赤字になります・・・
金利1%の場合の日銀のバランスシートは、
下図のようになると想定されます。
現在の日本国債は0.25%を金利の上限として、
日銀がコントロールしていますが、
仮に金利が1.25%になるだけで上記の状況が発生します。
なお米国の金利はインフレ対策として4%以上。
日本の0.25%という水準は極めて低水準と言えます。
日銀が赤字になるとか、かなりヤバイですよね・・・
普通の会社なら破綻です。
以上から、日銀はインフレ抑制のために金利を上げたくても、
赤字になってしまうから上げられない、
というワケです。
つまり日本がインフレになっても、誰も止められない、
ということですね。
インフレが進んだ日本で生き残る方法
遅かれ早かれ、
日銀は赤字になって破綻する可能性が高いです。
では、そんな日本に住む私たちには、
何が出来るのでしょうか。
実は答えは割と限られていて、大きく以下の3つです。
- 円を金(ゴールド)に換える
- 円をドルに換える
- 円をビットコインに換える
とにかく資産全体における円の割合を減らす、
ということに尽きます。
日銀が赤字になると、
日銀が発行する通貨である「円」への信頼が揺るぎ、
さらに円安が加速します。
(これをハイパーインフレと言います)
こうなると、円はまさに紙屑になります。
が、円以外の通貨を持つことでこのリスクを減らすことが出来ます。
ただ、現在の日本人の多くは、
- 円建ての不動産(=持ち家)
- 円建ての銀行預金
- 円建ての給与所得
しか選択肢を持っていません。
ただし、これまで見てきたように、
日本円を完全に信頼することはもはや出来ない状況。
明日ハイパーインフレになるとは言わないですが、
少しずつその日は近づいています。
その日までに準備をしておくことを、
個人的にはオススメします。
この記事はここまで。
では。おしまい。