「注文住宅って値段が高そうだけど、値引き交渉できるのかな。どうやって値引きすればいいんだろう。。」
こういう心配をされている方は多いのではないでしょうか。
この記事を読めば「こうすれば注文住宅の値引きが出来るのか!」ということがわかります。
これがわかれば、35年ローンの内容が大きく変わり、これによって今後35年間の暮らしのレベルが変わってきます。
家族での外食先がファミレスから隠れ家レストランにレベルを上げられます。
「注文住宅を検討しているけどお金が心配」という方にぜひ読んで頂ければと思います。
他の記事には書いていないこともあるので、是非しっかりと読んで活用してください。
✔ 私の経歴
ここで本記事についての信ぴょう性を確認していただくために私の経歴を少しご紹介させてください。
私はこれまで建築業界に12年以上関わってきました。
この過程で50件近く、合計数十億円の工事契約を行い、その値引き交渉において1件で最大30%近くの値引き(数億円)を勝ち取ってきた実績があります。
しかも、これを読まれているあなたと同じ「建築主」としての経験です。
そのため注文住宅メーカーや工務店、設計会社の記事よりも、あなたが気になる内容が盛り込めていると思います。
この経験で培ってきた値引き交渉の情報を本記事では徹底解説していきます。
注文住宅の値引きはできるの?
ズバリ注文住宅の値引きはできます!
ただし、「どんどんやっていい値引き」と「無理にやりすぎると危険な値引き」があります。
それぞれの場合に合った、値引き交渉の仕方やタイミングなどもあるので、これを詳しく解説していきます。
さっそく値引き交渉のパターンを解説していきます。
注文住宅の値引き交渉3パターン
値引き交渉パターン1:営業努力
まず、一般的に想像する値引きがこれです。
「何とかもう少しだけ安くなりませんか?」という工事をする会社の、営業努力としての頑張りを期待する値引き方法です。
メリット・デメリット
メリットは、見積もりの内容や設計の詳細がわかっていなくても、工事をする会社の営業担当と交渉できるという点です。
さらに工事をする会社も多少は値引きを想定している場合が多いので、この値引き交渉も効果はあります。
ただし無理な値引き交渉は禁物です。無理な交渉をしてしまうと、材料や下請けの業者にしわ寄せが行ってしまい、せっかくの注文住宅が質の悪いものになってしまう可能性があるからです。
またこの交渉は「工事する会社の利益を削ってしまった。。」という罪悪感があるので、強気に出にくくなってしまいがちです。
そのため主導権をにぎりずらいというデメリットがあります。
値引きの相場
一般的に注文住宅メーカーなどの場合は3~8%程度、地域に根差した工務店の場合は3~5%程度が値引きの相場のようです。
注文住宅メーカーの値段には広告宣伝費なども入っているので、高くなりがちですが、逆にいうと営業努力による値下げ代も多めにあるとは言えます。
一方で工務店の場合は大量の広告宣伝費などがないので、その分最初から安めの見積もりが出てくることが多いようです。
逆に営業努力による値下げ代は少ないと言えます。
値引き交渉パターン2:計画の見直し
計画の見直しによる値引きというのは、建物の形状や間取り、材料のグレード変更、さらには工事の方法の見直しなどによる値引きです。
メリット・デメリット
この値引き交渉のメリットは、工事をする会社の頑張りに期待することなく、双方の合意を得ながら交渉を進めていくことが出来る点です。
営業努力の値引きだけに頼らず、この値引き交渉も併用していくことで、値段を下げていくことが出来ます。
逆にデメリットは、建物の形状などは設計の初期段階に立ち戻ってしまうことになるので、早い段階での検討が必要なこと、比較的こだわりの少ない材料の変更としておかないと出来てから後悔してしまう可能性があることなどがあります。
ただし、お互いの合意を得ながら進めていくことができるので、建設的な議論をしながら関係者と協力して値段を落としていけるので後味が悪くなることはない値引き交渉と言えます。
値引きの相場
建物の形状に関するものであれば20%近く値引きとなる場合もあります。
材料のグレード変更ですと、物にもよりますが合計すると5%近く値引きとなる場合もあると思います。
値引き交渉パターン3:適正な見積もりに見直し
これは1つ1つの項目の正しさを確認する方法です。
パターン1とパターン2は見積もり金額が正しい前提での値引き交渉でした。
このパターンはそもそも見積もりが適正ではないのではないかという前提での値引き交渉です。
見積もりには経費という項目があって、基本的にはここに工事をする会社の利益が入っているはずです。
しかし実際には、「なんでこの簡単な工事にこれだけの金額がかかるんだ」ということがよくあります。
これは材料費などにも利益を少し載せて、見積もりを一目見ただけではどこが高いのかわからないようにしているからです。
メリット・デメリット
メリットは、見積もりを徹底的に交渉することが出来ることです。
例えばパターン1の値引き交渉で、
「5%値引きします」と言われても、5%値引きした金額が本当に正しい金額なのかはわからないままです。
一方でパターン3の値引き交渉を使えば、自分なりに正しいと思う金額で契約をすることができます。さらにその上で営業努力を求めることも可能です。
デメリットは、専門的な内容が多いので自分のわかる範囲しか交渉できない可能性があるということです。ここでは後述するプロの力というのが特に活かせる部分になるでしょう。
値引きの相場
相場としては3%~20%程度が相場のようです。特に値引き交渉慣れしている注文住宅メーカーなどではその割合は大きくなる傾向がありそうです。
コラム:本当にあったテキトーな見積もりの話
私が通っている床屋のおじさんの実体験です。私の経験とも似通った点があるのでご紹介します。
半径20cm程度の壁の補修をするために見積もりをもらったところ、10万円もする見積もりが出てきたそうです。
「さすがにこれは高くないですか?」と聞いてみたところ、
「ちょっと確認してみますね!」と言われ、次回に出てきた見積もりはなんと半分の5万円だったそうです。
普段は温厚な床屋のおじさんも少し怒っていたようでした。
この見積もりは注文住宅を新築する値段と比べると小さい金額ですが、結局見積もりというのはこれまでの経験則やある程度テキトーに出しているというのが実情のようです。
「大手の注文住宅メーカーが出してきた見積もりだから、これは正しいだろう。」と盲目になるのではなく、しっかり自分の納得ができる値段で理想の家を手に入れましょう!
注文住宅の値引き交渉のコツ
値引き交渉のパターンがわかったところでいよいよコツについての内容です。前述のパターンごとに解説していきます。
値引き交渉パターン1:営業努力の場合
普通に「値引きできませんか」と言ってもお願いしても検討はしてもらえるかもしれません。しかし値段としてのインパクトは少ないでしょう。
ここで有効なのは複数の会社、出来れば3~5社から見積もりをとっておくことです。複数の会社から見積もりをもらっておくことで、交渉の上で有利になります。
営業担当からすると、ここぞ営業努力の見せ所という場面となるでしょう。
単純に値引きをお願いするだけではなく、営業担当を本気で動かすためには、
「何とか値引きをして契約を勝ち取りたい!」と思わせることが重要です。
この点で複数の会社から見積もりをとるということは有効に働きます。
またこのパターンの値引き交渉のタイミングは契約の直前がおすすめです。営業努力としての値引きはあくまで最後の一押しです。
そうしないと、材料のグレードを下げてしまうなどの調整をされて、質の低いものを安い値段で買うことになりかねないからです。
実際に私はこのパターンで最大20%近く見積もりが下がった経験があります。物件により違いますがやらないよりやったほうが確実にお得です。
値引き交渉パターン2:計画の見直しの場合
計画の見直しには2つの種類があります。
設計の見直し
1点目が設計内容の見直しです。これにも大きく分けて2つのやりかたがあります。
【プランニングの見直し】
プランニングの見直しとは、例えば以下のようなものがあります。
- 建物の形状の凹凸をなくして整形の建物とすることで外壁の量を減らす
- 間仕切り壁を減らして1つ1つの部屋を大きな部屋として間仕切り壁の量を減らす
- 床暖房はとりやめる
ここでのポイントは絶対に譲れない範囲と譲ってもいい範囲を明確にしておくことです。
譲れない範囲まで見直しをしてしまうと注文住宅の意味がなくなってしまうので注意しましょう。
このあたりの詳しいアイデアを盛り込むと長くなり過ぎてしまうので別記事で紹介していきたいと思います。
そしてこのプランニングの見直しは、設計の初期にやっておく必要があります。
なぜなら設計がほぼ完成してからこの見直しを行うと、もう1度設計をやり直すことになり、追加の費用が発生してしまう可能性があるからです。
このパターンの見直しはほぼ毎回行っています。正直、予定通りの見積もりがピタリと来ることのほうが少ないです。
この見直しはかなり効果があるので、ぜひ検討しましょう。
【材料のグレードの見直し】
材料のグレードの見直しとは、例えば、
- 倉庫の壁のクロスのグレードを下げる、またはなくす
- トイレは1つ古い型のものを採用する
などがあります。
ここでのポイントは人の目にあまり触れない場所や気にしない場所の変更とすることです。
人の目に触れる場所のグレードを下げてしまうと後々後悔することがあるからです。
またこの見直しについては、設計の最後の段階でとる見積もりを見ながら行うようにしましょう。
設計の初期の段階では、1つ1つのグレードまで決め切っていないことが多いからです。
工事の工程や工事の方法の見直し
計画の見直しに続いて、工事に関する内容の見直しです。
ここでのポイントはとにかく工事を短くすることが出来ないかということです。
工事の工程を短くすることで、工務店や注文住宅メーカーの経費などを減らしてもらうことができます。
具体的な見直しのポイントは、
- 内装工事と外構工事を同時並行で行うことで全体の工事工程を短縮できないか
- 各工事の期間が余裕を持ちすぎた工程になっていないか
- 前面の道路を一時的に通行止めとすることで効率的な工事の方法が採用できないか
などが考えられます。
このあたりは物件にもよるので、中々難しいかもしれませんが、出来ることなら考えてみましょう。
注意点としては、むやみに工事を短くしようとしても品質の低下が起こってしまう可能性があるので、あくまで「合理的な範囲内」で方法を見直すということが重要です。
契約直前の見積もりと同時に工程や工事の計画については説明をしてもらいましょう。設計がある程度できていないとくわしい工程を検討するのは難しいからです。
「見積もりと合わせて工事工程表と施工計画を一緒に出してください。」と言えば対応してもらえるかと思います。
このパターンも毎回見直しをしています。なぜなら工事業者も、現地の状況を完璧にわかっているわけではなく工事の計画を煮詰めてきれていないことが多いからです。
少し難しいかも知れませんがチャレンジしてみましょう。
値引き交渉パターン3:適正な見積もりに見直しの場合
こちらは他の記事ではあまり解説されていない値引き交渉のパターンとなります。見積もり自体が正しくないのではという前提の交渉のやり方です。
これには2通りのやり方があります。
見積もりの総額で交渉
1つ目が見積もりの総額での交渉です。
「この規模、この内容で、この金額は高すぎて話にならない。」と言い続けることです。
営業担当に「ちょっとこれは高く出しすぎてしまったかな。。」と思わせて不安な気持ちさせることが重要です。
ここではあくまで強気で値引き交渉する必要があります。
弱気な態度だと、営業担当を不安な気持ちにすることが出来ません。後述する私が心がけているテクニックなども使って値引き交渉しましょう。
またこの値引き交渉は、細かい設計ができた段階で行いましょう。
細かい設計をしていないと、高すぎると伝えても「まだ設計が出来ていないので少し高めの金額を余裕を見て入れています」と言われてしまいます。
これも言うだけ言ってみたほうがいいです。これだけで5%近く下がったこともあります。
見積もりの1つ1つの内容で交渉
続いて1つ1つの見積もり項目に対して交渉するやり方です。
見積もりの1つ1つについて、
「これは何でこの値段なんですか?」と確認していきましょう。
事前にネットなどで材料の値段を調べておいてから、この交渉に持ち込むと有利です。
国交省のHPに、職人さんたちに対して1日でどれくらいのお金がかかっているかがわかる資料があります。
こちらも参考すると値段のイメージが比較的つきやすいと思います。
例えば最も一般的な「普通作業員」という職人さんだと、東京都の場合21,500円/日のお金が必要となります。
↓↓↓国交省HPの労務単価
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001328838.pdf
そしてこの値引き交渉も、見積もり総額の交渉と同様に、詳細な設計ができた段階で行いましょう。
値引き交渉のテクニック【私が心がけていること】
これまでの私の経験で、値引き交渉をするときに心がけていることを紹介していきたいと思います。
これをすると即値引きが出来るわけではないですが、1万円でも値引きをしてもらいやすいような工夫です。
心構え
お互いを尊重しながら、両者で合意ができるように目指しましょう。
無理に合意をするとお互いに不幸になってしまいます。値引き交渉もピリピリした空気にならないように和気あいあいした雰囲気づくりを目指しましょう。
話し方
とにかくマシンガントークをしましょう。
何を言われても言い返していくことで、相手の気勢を削いでしまうことが交渉の上では有利にはたらきます。
特に「それは~な理由で難しいです」と営業担当から断られたときには、「それを言うなら~も同じじゃないですか」という言い回しが有効です。
打ち合わせ場所
相手の事務所などでは行わず、自宅で行いましょう。
心理的な部分ですが、営業担当はお客さんのところに行くときはやはり多少の緊張があるはずです。
心理的にも優位にたって交渉は進めていきましょう。
打ち合わせ時間
30分にしましょう。
「少し短くないか?」と思うかもしれませんが、それくらいでいいと思います。
なぜなら短い時間で一気にまくしたてるように話すことで、反論の隙を与えないためです。
説明する順番
まずは相手の言い分を先に全て聞きましょう。なぜならあと出しじゃんけんのほうが有利だからです。
理想的には、相手の説明⇒自分の主張で打ち合わせが終わることです。
相手の言い訳を聞かずに打ち合わせを終わらせることで、営業担当は会社に戻ってからどうしようと考えざると得ないからです。
設計と工事をわける
設計の契約と工事の契約をわけましょう。
注文住宅メーカーなどは設計と工事を同時に契約したがりますが、詳しい設計が出来ていないと、これまで書いてきた交渉の材料がありません。
契約上もここをしっかりわけておくことで交渉をするための体制を整えることが出来ます。
それでも少し不安なあなたへ
ここまで値引き交渉について書いてきましたが、
「専門的な部分もあるし、やっぱり少し不安だな。。」という方もいらっしゃるかもしれません。
困ったときは、値引き交渉のプロにアドバイスを受けるという選択肢もあります。
注文住宅というのはあくまで個別の商品なので一般的にこうすれば値引きが出来るというのが言いにくいものです。
やはりプロの目を通すと、自分にはなかった視点や、プロにも確認したという自信が生まれて必ず交渉にも活きることと思います。
詳しくはこちらをご確認ください。
↓↓↓↓↓↓
まとめ
注文住宅は値引きが出来ます。
私は実際にこれらの見直しを行うことで2億円の見積もりを1億4000万円まで、約30%もの値引きを勝ち取った経験があります。
もちろん求めていた品質を下げてはいません。
値引きには種類があるので、状況に応じた値引き交渉を行っていくことが重要です。
理想の家をご自身の納得いく値段で購入しましょう!