「注文住宅はなんで高いんだろう?どうすれば安くなるんだろう」
このように考えている人は多いのではないでしょうか。
この記事では、注文住宅が高い理由およびどうすれば安くなるかということに関してマーケティング理論を用いながら解説していきます。
これを読めば、注文住宅を金額を抑えながら購入することが出来るようになります。
住宅ローンは35年近く続きます。
35年間支払うはずだった毎月の数万円を減らすことが出来れば、おいしい食事に家族を連れて行ったり、海外旅行にいけたり、生活の質がグッと変わるはずです。
是非ご一読ください。
✔わたしの経歴
ここで本記事についての信ぴょう性を確認していただくためにわたしの経歴を少しご紹介させてください。
私はこれまで建築業界に12年以上関わってきました。この過程で50件近く、合計数十億円の工事契約を行っています。リフォーム物件も数多く手がけてきました。
しかも、これを読まれているあなたと同じ「建築主」としての経験です。そのため設計会社やハウスメーカーよりもあなた目線(顧客目線)での記事になっていると思います。
さらに顧客目線を持ちながら、一級建築士を取得しているので技術論についても網羅的な知見があります。
この経験で培ってきた、知見をもとに解説していきたいと思います。
注文住宅が高い理由は?|マーケティング理論で解説します
注文住宅の価格設定について、マーケティング理論の1つである5フォース分析を用いて解説してみたいと思います。
まず5フォース分析とは以下の通りです。
5フォース分析とは、外部環境分析のうち「事業環境」の分析を行うためのフレームワークです。これを考案したマイケル・E・ポーター教授は、経営戦略を考えるうえで、「業界の競争状態」=「競争要因」を知ることが重要であると説いています。その「競争要因」には、以下の5つの競争要因(5フォース)があり、これが業界の収益性を決めることになるのです。
- 新規参入者の脅威
- 売り手(サプライヤー)の交渉力
- 買い手(顧客)の交渉力
- 代替品や代替サービスの脅威
- 既存企業同士の競争(競争業者)
5フォース分析とは何か?ポーター教授考案、競争戦略フレームワークの基本 事例や図版でフレームワーク解説|ビジネス+ITより抜粋
主に外部環境分析に用いるフレームワークです。
ここではこの分析については詳しく述べませんが、結論だけ解説していきます。
なおこの5フォース分析を図で表すとこのようなものです。
見積もりが高いときは、この5つの力のうち1つ以上があなたに不利に働いているということが考えられます。
では注文住宅の見積もりが高いときにどういう可能性があるのか、という観点から各項目を説明していきます。
売り手の交渉力が強いから
ここで言う売り手とはハウスメーカーや工務店のことではなく、材料をハウスメーカーや工務店に売ったり、工事の下請けに入る企業のことを指します。
この企業の交渉力が強いと、材料や工事を行う人件費が高くなっていきます。
結果、下請けから高い金額を要求されるハウスメーカーや工務店も、あなたに対して高い金額を提示してくるというわけです。
対策は?
売り手の交渉力を弱めることが出来れば、あなたに提示される金額も下げることが出来ます。ではどうすればいいのでしょうか。
これには珍しい素材、特殊な工法などを使わず、出来るだけ既製品を活用するということが重要です。
例えば食品スーパーでも珍しい食材は高いですよね。
住宅でも同じです。珍しい素材を使ったり、難しい工法だとどうしても金額は高くなってしまいます。
なんでこんなに高いんだと思ったら、標準品かどうかを確認してみるとよいでしょう。
競争業者が少ないから
これはわかりやすいですね。ハウスメーカーや工務店がここに該当します。
これらの業者があなたという買い手に対して競争しているということです。
対策は?
これはよく言われるように見積もりを複数の競争業者からとるということが対策になります。
ポイントはハウスメーカーだけでなく、工務店にも見積もりをとってみることです。
これがあるかないかで、適正価格がどこなのかを見極めることが出来るからです。
市区町村からハウスメーカーや工務店を検索すると便利です。
買い手の交渉力が弱いから
これはあなたの交渉力です。
コスト削減の手法をどれだけ知っているか、見積もり交渉の経験に基づいて、どうすれば金額が下がるかという交渉スキルがここに該当します。
最も直接的に金額をさげることが出来るのはここになります。
対策は?
正直なところ、買い手の交渉力への対策は初心者では難しいです。
この場合は、下記リンクが参考になると思いますので興味がある方はご覧ください。
✓買い手の交渉力対策を詳しく知りたい人向け(プロへの相談)
新規参入業者が少ないから
ハウスメーカー業界や地元の工務店業界に新しく参加しようとしている業者がここに該当します。
新規参入があれば、当然競争は激しくなるため、金額は下がることになります。
しかしこれはあなたが関与して調整できる項目ではないです。
内容だけは解説しましたが、特にできる対策はありません。
代替品の認識が薄いから
注文住宅の代替品には、建売住宅や分譲マンション、中古マンションのリノベーションなどがあるでしょう。
さらに住むという観点では、賃貸住宅やホテルなど。直近の在宅勤務という傾向を踏まえるとサテライトオフィスなども代替品になりうるかもしれません。
このように注文住宅を買う目的によっては、別の商品で代替できる場合があります。
まずはあなたが注文住宅を買うことの目的をはっきりさせておくことが重要です。
対策は?
ここでは、あなたがやはり注文住宅を買いたいと考えている場合で解説していきます。
工事の業者は当然ながら、あなたが注文住宅を買いたいと考えて見積もりをとろうしていると思っているでしょう。
しかしあなたが「中古マンションのリノベーションも検討している」と業者に伝えるとどうなるでしょうか。
ハウスメーカーや工務店との見積もり競争だけではなく、代替品よりも自分たちの提供する注文住宅のほうが安いし良い商品ですということをPRする必要があると思うのではないでしょうか。
つまり、代替品の可能性を示すことで、見積もりを複数社とることと同じように金額を下げる効果があると考えられます。
ちなみに2019年度住宅市場動向調査によると、
注文住宅を買う人の約70%は注文住宅だけで比較検討しています。
中古マンションなども比較検討することで最終的に金額を抑えられる可能性があるので、ぜひ他のタイプの住宅も比較検討しましょう。
住宅市場動向調査 年度次 2019年度 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
まとめ
注文住宅が高い理由としては、ここまで解説してきた5つの力の内、1つ以上があなたに対して不利に働いている可能性が高いです。
最後に改めておさらいをしておきましょう。
・売り手の交渉力が弱いから
⇒標準的な材料に変更、工事を簡単にできるように変更
・競争業者が少ないから
⇒複数社から見積もりをとりましょう
・買い手の交渉力が弱いから
⇒プロに相談しましょう
・新規参入業者が少ないから
⇒対策は難しい
・代替品の認識が薄いから
⇒あなたが注文住宅を買いたい目的を明確にしましょう
このように網羅的に対策をすることで、大きく金額を下げられる可能性がありますので、ぜひご検討ください。
✓プロへの相談について詳しく知りたい人向け
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